「一人もつ鍋の日」

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 ブログアップをさぼりがちな僕ではあるが、自炊は毎日やっている。
 写真はある日のもつ鍋である。
 流石にクリスマス当日である本日のメニューではない。
 じゃあわざわざ今日アップすんなよと言いたくなるが、そこはまあ置いとこう。

 モツは、一種類じゃなくいろんな種類が入ってる方が好きなので、近くにある
「I LOVE(はあと) BEEF」
 と看板に書いてあるお肉屋さんで購入した。

 牛の立場に立ってみれば「LOVE(はあと)」はマジで悪い冗談としか思えないだろうが、僕は牛ではないので「愛まで語るほどのこだわりがある」と素直に受け取っている。
 ホルモンミックス500円はけっこうな量だ。
 ちなみに、この日は子供をうちの実家に預けてあった。
 ひさびさに子供から自由になって夫婦二人で鍋でもつつくかという、僕の妻への愛の結晶のようなもつ鍋なのである。
 つまり、まるで『天下一品』の鉢のように、シメの中華めんまで全部平らげたらば、この鍋の底には!

 「明日のご来店をお待ちしております」

 ではなく!

 「I LOVE(はあと) WIFE」

 と書かれているはずなのである!
 書いてないけども!
 心の目で見れば!

 ああ、早く帰ってくればいいのに。
 まるで新妻のような心を持ったエプロン姿のヒゲの中年がそこにはいた。

 ところが、である。

 まったく僕のミスなのだが、

 この日は妻は忘年会に出席するため、

         とても遅く帰ってくる日だった―――――――。

 そのことを思い出したのは、この写真を撮った次の瞬間くらいである。
 
 食べたよ、一人でモツ鍋を。けっこうな量のホルモンミックスを。
 
 あーうまかった。別に泣いてないって。

 メリークリスマス。
 

プロフィール

オカモト國ヒコ

Author:オカモト國ヒコ
劇作家・演出家・脚本家
「テノヒラサイズの人生大車輪」(作・演出)第22回池袋演劇祭優秀賞。
FMシアター「薔薇のある家」で平成22年度文化庁芸術祭優秀賞、第48回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
「橋爪功一人芝居 おとこのはなし」第50回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
関西TV「誰も知らないJ学園」「新ミナミの帝王~裏切りの実印」
NHK-BSプレミアム「高橋留美子劇場」「猿飛三世」(5、6話)
Eテレ「昔話法廷 第2シーズン」

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