拙作ラジオドラマ『薔薇のある家』広島で上演の巻。

 広島の方が拙作『薔薇のある家』を上演してくれるようです。

 『薔薇のある家』は元々ラジオの為に書いたほぼ一幕物の二人芝居で、その時は奈良岡朋子さんと大竹しのぶさんに演じていただけました。

古市公民館演劇事業 シアター・レトロ・マーケット

演劇企画 はらはら芝居
『薔薇のある家』

演出・出演:原島絵梨佳 原かおり
演出監修:恵南牧(PROJECT Fe)


日時:8月7日(木)20時~、9日(土)18時~(開場は開演の30分前)

場所:広島市古市公民館
(7日(木):会議室1・2 9日(土):大集会室)

主催・問合せ:(公財)広島市文化財団 広島市古市公民館  
〒731ー0123 広島市安佐南区古市三丁目24番8号  
電話:082ー877ー2677(井手)

入場無料


 内容は、といいますと

 足の骨折のブランクから早く仕事に復帰したい老女優とそれをなんだかんだで誤魔化そうとする付き人の女性が深夜リビングで延々と話すだけ…、の話です。

 だけの話、などと書くとまったく面白くなさそうですが、書いた本人としてはこれ以上言っちゃうとネタバレになるので口が裂けても言いたくないのだ…!

 というくらい(あくまで作者としてはですが)台本2ページ目から「あ、そうだったの…?」とか「あれ?この二人って実は…」というようなスリリングな仕掛けをてんこもりで盛り込んでいるつもりでして、出来れば何の情報も持たずに味わって欲しいと願っておるのです。

 とはいえ放送時や賞をいただいた時の作品紹介では、ある程度バラしておかないと何の話なんだかわからないという理由もあり、僕のこだわりの前半戦の内容は思い切り明らかにされてしまっていましたが…(笑)。


 ところでこの「古市公民館演劇事業 シアター・レトロ・マーケット」は、地域の方にもっと演劇を身近に感じてもらおうという趣旨の催しだそうです。

 身近に感じるという意味ならこの作品は、テーブルと椅子と二人の人間がいればいつでもどこでも成立してしまうお手軽さも持ちあわせています。

 今回の公演でも、七日と九日で上演する会場が違う、という普通ではあり得ない事もこの作品なら全く問題ないはずです。

 なによりあまり演劇に馴染みのない方に「ただ人間が二人ほどいてそこに工夫があれば、演劇は成立するものなのだ」と感じてもらえるなら、本作が実演されることに少しくらいは意味があるのではないかと思っています。

 手軽だ、身近だ、と書きましたが、実はおいそれと上演出来ない要素もある作品でもありまして、それは豪華な照明でも華麗な衣装でも朗々たる歌声でもなく、それはただただ役者の「年齢」です。

 演出次第かとも思いますがやはり年齢とは最高の説得力です。

 果たしてまだまだ僕の周りの役者たちではこの作品の中の千鶴子と夏子が要求している「年輪」は表現できないと思ってます。

 そういう意味で、自作ながら自分もいつかは上演してみたい挑戦してみたいと思っている作品です。

 もしお近くの方がいらっしゃいましたら、是非足を運んでみて下さい。

 ではまた。

ちょこっとラジオドラマを書きました

うっかりしてるあいだに書かせてもらったオーディオドラマシリーズがもう昨日から始まってました!!!歳をとるごとに、うっかりが致命的になってきているオカモトです。お元気ですか?

あなたがいる場所(全10回)
沢木耕太郎が描く、深い孤独の闇に光射すナイン・ストーリーズ
【NHK FM】
3月17日(月)~3月21日(金) 午後10時45分~午後11時(1-5回)
3月24日(月)~3月28日(金) 午後10時45分~午後11時(6-10回)


沢木耕太郎・原作「あなたがいる場所」より
(1)「銃を撃つ」
(2)「迷子」
(3)「虹の髪」
(4)「ピアノのある場所」
(5、6)「天使のおやつ」前・後編
(7)「音符」
(8)「白い鳩」
(9)「自分の神様」
(10)「クリスマス・プレゼント」

沢木耕太郎さんの9つの短編を、15分のラジオドラマにしようという企画です。
僕は明日19日(水)の第三回「虹の髪」と最後の28日(金)の第十回「クリスマス・プレゼント」を書いてます。

ちなみに恥を承知で告白しますと、僕は結構な歳になるまで短編小説の読み方がわかりませんでした。
そういう人、けっこういるような気がするんですが、僕だけでしょうか。ほんとに僕だけだとすると、思った以上に恥をさらすことになるのでこの文章読まなかったことにして欲しいんですけども。場を盛り上げようと思い切って尻を出したらパンツにウンコがついてたというような状況とでも言いますか。それはまた違いますか。そうですか。

読み方というか、正確には、楽しみ方、でしょうか。

長編小説なら、楽しみ方は誰だって分かりますよね。
主人公の魅力を味わい(出来れば好きになり)、
魅惑のストーリーを読み進み(出来れば予想を裏切られたりもし)、
やがて感動のラストで涙のひとつも流せば
それは完璧に「読んだ=楽しんだ」ことになります。
自分の好みとして作品が気に入らなかったとしても、
楽しみ方がわからなかったなんてことはないはずです。

しかし短編小説の場合(ホラーやSFは除きます)、
最後まで読んだのに何が書かれてたかうまく把握できない、
あらすじさえうまく説明できないというようなことがたまにあります。
主人公の魅力が一切書かれてないので全く感情移入出来ないなんてことはざらですし、
ストーリーと読んでいいのかわからないような日常描写が延々と続き、
やっと何か事件が始まったぞと思った途端、
唐突に終わっちゃうことだってよくあります。
若かりし僕はそんな短編作品を読むたび、
文字通り投げ出されたような気分になり、途方に暮れるしかありませんでした。
しかしそれが面白くないかと言えば、そういうことでもなく、
不思議と心に何かがひっかかるのです。

長編小説が読んでいく過程を楽しむものだとするなら、
短編小説は読後感を楽しむものなのではないかと最近では思ってます。

読んだあとなんとも言えない不思議な気持ちを呼び起こしてくれるもの、
(それは哀しみに近いことが多いですが)
より言葉に出来ない感情を呼び起こすものがより優れた短編である。
そういう大雑把な指針を持って読むようになってからは、
自分でもなかなか楽しんで読んでるなあと思ってるのですが、
読む態度として根本的に間違ってるかもしれません。

ともかく、今回の「あなたがいる場所」は、まさにそのタイプの9編でした。
中には比較的明るくわかりやすい話もありますが、
なんだかわからない、言葉にできない感情を呼び起こされる、不思議な小品たちです。

特に僕が担当した二篇は、ほんとになんとも言えない変な感じなんです。
なにこの気分。

ラジオドラマとして脚色は避けられないのですが、
なんとか読後感だけは近いものになるようにしたつもりです。

よかったら聞いて不思議な気持ちになってみてください。

ではまた。

「不老不死セレブレイション」立ち稽古見てきた。

20130912_385822.jpg
今週末に本番が迫ったテノヒラサイズ第十回公演にして

役者・湯浅崇、初の作・演出作品

『不老不死セレブレイション』の稽古を覗いてきました。
詳しくはこちら

実際に劇場を使っての立ち稽古を見せてもらったのですが

・・・悔しいですけど、この芝居、面白いよ!


役者・湯浅崇といえば、

いきなりの前説(=マエセツ)だろうが、
『ここおまかせで日替わり!』という
演出の無茶要求だろうが、

アイデア満載の”湯浅アワー”に仕上げてしまう

ザ・止まらない工夫の役者。

そんな彼だから書ける
コミカルでありながら
トリッキーでもあり
そして、なにより

役者の力を信じてる

はじけた悲喜劇でした。


劇場は、弁天町駅から少し歩く『世界館』。
この劇場の使い方もなかなか大胆で面白いです。

劇場の立地と構造をうまく芝居に利用した見せ方がにくい。


そしてなにより、
こにくたらしいのが

観客であるこちらを

見事に油断させ、

振り回しといて、

ちゃんとロジカルに、

かつ感動的に着地するという離れ業。

チラシの印象では
いわゆるドタバタコメディだと思われてそうですが

これはドタバタなんてものじゃない。
やけに腰の低い男が
肩の力を思いっきり抜いて
周到に用意した、罠!


あんまり褒めると、
僕にもう台本書かしてくれなくなるかもしんないので
このくらいにしときますけども

一週間前の稽古を見たライバル作家として言わせてもらいましょう。

今回のテノヒラサイズ、一見の価値あり!

是非、見に行ってあげてください。

工夫の男、湯浅崇の
人柄がにじみ出た初、作・演出・出演作を!

「三人の男たち旅に出る。」に短編書きました。

 公演時期の順で言うとラジオドッグよりこっちが先。
 大阪はこの23日からスタートです。
 オムニバス三本のうちの一本「パワースポット」という作品を書きました。

TEAM54 PRODUCE Vol.6
Bon Voyage! 三人の男たち、旅に出る。
voyage_omote-210x300.jpg
詳しくはこちら

出演 前田耕陽 中川浩三 Soezimax
脚本 お〜い!久馬(ザ・プラン9) オカモト國ヒコ(テノヒラサイズ) 早川康介(劇団ガバメンツ)
演出 川浪ナミヲ(劇団赤鬼)

大阪公演
日時:2013.8/23(金)19:00・24(土)13:00/17:00・25(日)14:00*・26(月)▲13:00/19:00
会場:千日前トリイホール
料金:前売り ¥3,000- 当日 ¥3,500-(全席自由席)
*16:00よりアフタートークイベント有り・チケット半券で入場可能
▲平日マチネ 前売 2,500円(当日券¥500UP)

東京公演
日時:2013.8/29(木)19:00・30(金)▲13:00/19:00・31(土)13:00/17:00・9/1(日)*14:00
会場:吉祥寺プラネットK
料金:前売り ¥3,000- 当日 ¥3,500-(全席自由席・ワンドリンク代別途必要)
*16:00よりアフタートークイベント有り・チケット半券で入場可能
▲平日マチネ 前売 2,500円(当日券¥500UP)


 僕が書いたのは、よくみんな旅行でパワースポットに行くって言うけど、ほんとに本気のパワーをもらって帰ってきちゃったらどうすんの?みたいな話です。

「いい歳して、何そのパワー?恥ずかしくないの?」というような。

 石ノ森章太郎的なSF展開に中年の悲哀を織り交ぜてみました。

 このユニットには何回か書かせてもらってますが、気づけばだいたいテーマは「いい歳して何やってんだ」です。

 人生の撤退戦を生きているはずが、やっぱり男だから、人間だから、撤退だっつってんのにあわよくば、大逆転を狙ってしまう。隙あらば、男を証明しようと敵陣に突っ込んでしまう。

 そんな愛すべき男達の話を毎回書いてます。

 イメージはサムペキンパーの「戦争のはらわた」です。(嘘)

『ラジオドッグ』上演のお知らせ

 今年も前途あるフレッシュな若者達が二度とは戻らない夏を演劇の稽古なんかに湯水のように注ぎ込む形で(!)、拙作『ラジオドッグ』を上演してくれるようです。

演劇グループSomething
夜空に響け夏公演『ラジオドッグ』

作/オカモト國ヒコ
演出/槻市ひよ

9月7日(土) 13:00〜/17:30〜
9月8日(日) 13:00〜/17:30〜
関西学院大学旧学生会館2階ママ上ホールにて
料金、完全無料


 ここ数年、毎年のようにどこかで上演してもらえて、とても嬉しいです。
 非力ながら少しでも宣伝になればと思い、なにかしら作品について書いてみようかと思います。

 この物語は、思春期独特の屈折を抱えた三人の中学生が主人公です。

 学校にいかず一日パソコンいじってる不登校の気弱少年と、自分を少年ジャンプのキャラに近づけようと日々三階から飛び降りたりするようなバカと、すべてのコミュニケーションが嫌がらせという病的な人間不信の少女。

 この学校に馴染めないタイプの三人をある先生が心配して将棋部という他に誰も部員がいないクラブに無理やり入部させたところから物語は始まります。

 容易な事では友達になれない歪んだ彼らも反目したり誘拐したりの紆余曲折あった末、ようやく賞金目当てに「合作でミステリー小説を書く」という行為に没頭しはじめます。
 しかし、世間知らずの中学生ではいかに三人の知恵を集めて書こうとも小説にリアリティーが出ません。
 考えた末、世間を知る為に彼らがしたこと。

 それが「盗聴」でした。

 盗聴を続けるうち、彼らは彼らが通う中学で二年前に起こった未解決事件を知ることになります。
 三人はその事件を解決してそれを小説にしようと考え始めます。

 ある日、三人が同時に居眠りをしてしまった時、不思議なことが起こります。
 三人で書いていた書きかけの小説がいつの間にか完成しているのです。
 そして、その中で描かれる現実の未解決事件の謎も、小説の中の主人公=「マカベシンジ」が見事に解決してしまっているのです。

 驚く三人。
 一体、誰がこの小説を完成させたのでしょう?
 一体、誰が自分たちの調べた情報を使って未解決事件の真相を解明したのでしょう?

 そして、その事件の真相が暴かれたこの小説の存在は、同じ事件の謎を探っていたスパイ組織の知るところになります。

 忍び寄るスパイの手。三人は学校を飛び出し、事件の真相を世間に公表しようとするのですが…。

 中学生三人の、命を賭けた逃亡劇はどのような結末を迎えるのでしょう…?

 一方、十年後の世界が同時進行で描かれます。

 三人は成長し、電波捜査班の敏腕刑事になっていたり、ラジオドッグと呼ばれるハッキング組織の若きボスになっていたり、小説家になってたりします。

 どうやらこの十年、彼らはお互いに会わないようにしていたようです。まるで憎みあっているようにも見える。それは何故なのか。

 十年後のこの世界は、ある重大な危機に直面しているというのです。
 かつての世界大恐慌以上の未曾有の金融崩壊が人為的に引き起こされようとしている。一人の天才投資家の手によって。

 その投資家の名は「マカベシンジ」。10年前世間を騒がせた謎の天才少年。そして、自分たちが書いた小説の主人公…。

 その彼をなんとか出来るのは自分達三人だけだというのですが…?
 

 長くなりましたが、上のようなお話です。
 まあ、面白そう…じゃないですか?(汗
 
 細かいストーリーやら謎は置いておいて、友達のいない三人の中学生がスパイ組織に追われたりするうち、だんだん仲良くなっていくところが一番の見所です。
 思春期で歪な心理状態だった彼らも三人でいる間にお互いを思いやる事の出来る頼もしい少年少女になっていきます。

 しかし、彼らの作り出した「合作」が、彼らが別々にならなければならない原因となっていく。

 親しい誰かと別れるということはその誰かの前で振る舞っていた自分ともお別れするということです。
 生まれて初めて心が通った友人との別れはきっと、生まれて初めて人間らしく振る舞えた自分との別れでもあります。
 彼らの前で笑ったり怒ったりしていた自分こそ、彼らがいたおかげで生まれた、彼らとの「合作」なのだから。

 これは夏とともに去って行った友人と、彼らと共に生まれた自分自身とのお別れの物語なのです。

 お時間あったら、観に行ってあげてください。
 僕も久しぶりに彼ら三人に会いたい気がしますよ。

プロフィール

オカモト國ヒコ

Author:オカモト國ヒコ
劇作家・演出家・脚本家
「テノヒラサイズの人生大車輪」(作・演出)第22回池袋演劇祭優秀賞。
FMシアター「薔薇のある家」で平成22年度文化庁芸術祭優秀賞、第48回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
「橋爪功一人芝居 おとこのはなし」第50回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
関西TV「誰も知らないJ学園」「新ミナミの帝王~裏切りの実印」
NHK-BSプレミアム「高橋留美子劇場」「猿飛三世」(5、6話)
Eテレ「昔話法廷 第2シーズン」

検索フォーム