ちょこっとラジオドラマを書きました

うっかりしてるあいだに書かせてもらったオーディオドラマシリーズがもう昨日から始まってました!!!歳をとるごとに、うっかりが致命的になってきているオカモトです。お元気ですか?

あなたがいる場所(全10回)
沢木耕太郎が描く、深い孤独の闇に光射すナイン・ストーリーズ
【NHK FM】
3月17日(月)~3月21日(金) 午後10時45分~午後11時(1-5回)
3月24日(月)~3月28日(金) 午後10時45分~午後11時(6-10回)


沢木耕太郎・原作「あなたがいる場所」より
(1)「銃を撃つ」
(2)「迷子」
(3)「虹の髪」
(4)「ピアノのある場所」
(5、6)「天使のおやつ」前・後編
(7)「音符」
(8)「白い鳩」
(9)「自分の神様」
(10)「クリスマス・プレゼント」

沢木耕太郎さんの9つの短編を、15分のラジオドラマにしようという企画です。
僕は明日19日(水)の第三回「虹の髪」と最後の28日(金)の第十回「クリスマス・プレゼント」を書いてます。

ちなみに恥を承知で告白しますと、僕は結構な歳になるまで短編小説の読み方がわかりませんでした。
そういう人、けっこういるような気がするんですが、僕だけでしょうか。ほんとに僕だけだとすると、思った以上に恥をさらすことになるのでこの文章読まなかったことにして欲しいんですけども。場を盛り上げようと思い切って尻を出したらパンツにウンコがついてたというような状況とでも言いますか。それはまた違いますか。そうですか。

読み方というか、正確には、楽しみ方、でしょうか。

長編小説なら、楽しみ方は誰だって分かりますよね。
主人公の魅力を味わい(出来れば好きになり)、
魅惑のストーリーを読み進み(出来れば予想を裏切られたりもし)、
やがて感動のラストで涙のひとつも流せば
それは完璧に「読んだ=楽しんだ」ことになります。
自分の好みとして作品が気に入らなかったとしても、
楽しみ方がわからなかったなんてことはないはずです。

しかし短編小説の場合(ホラーやSFは除きます)、
最後まで読んだのに何が書かれてたかうまく把握できない、
あらすじさえうまく説明できないというようなことがたまにあります。
主人公の魅力が一切書かれてないので全く感情移入出来ないなんてことはざらですし、
ストーリーと読んでいいのかわからないような日常描写が延々と続き、
やっと何か事件が始まったぞと思った途端、
唐突に終わっちゃうことだってよくあります。
若かりし僕はそんな短編作品を読むたび、
文字通り投げ出されたような気分になり、途方に暮れるしかありませんでした。
しかしそれが面白くないかと言えば、そういうことでもなく、
不思議と心に何かがひっかかるのです。

長編小説が読んでいく過程を楽しむものだとするなら、
短編小説は読後感を楽しむものなのではないかと最近では思ってます。

読んだあとなんとも言えない不思議な気持ちを呼び起こしてくれるもの、
(それは哀しみに近いことが多いですが)
より言葉に出来ない感情を呼び起こすものがより優れた短編である。
そういう大雑把な指針を持って読むようになってからは、
自分でもなかなか楽しんで読んでるなあと思ってるのですが、
読む態度として根本的に間違ってるかもしれません。

ともかく、今回の「あなたがいる場所」は、まさにそのタイプの9編でした。
中には比較的明るくわかりやすい話もありますが、
なんだかわからない、言葉にできない感情を呼び起こされる、不思議な小品たちです。

特に僕が担当した二篇は、ほんとになんとも言えない変な感じなんです。
なにこの気分。

ラジオドラマとして脚色は避けられないのですが、
なんとか読後感だけは近いものになるようにしたつもりです。

よかったら聞いて不思議な気持ちになってみてください。

ではまた。

「不老不死セレブレイション」立ち稽古見てきた。

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今週末に本番が迫ったテノヒラサイズ第十回公演にして

役者・湯浅崇、初の作・演出作品

『不老不死セレブレイション』の稽古を覗いてきました。
詳しくはこちら

実際に劇場を使っての立ち稽古を見せてもらったのですが

・・・悔しいですけど、この芝居、面白いよ!


役者・湯浅崇といえば、

いきなりの前説(=マエセツ)だろうが、
『ここおまかせで日替わり!』という
演出の無茶要求だろうが、

アイデア満載の”湯浅アワー”に仕上げてしまう

ザ・止まらない工夫の役者。

そんな彼だから書ける
コミカルでありながら
トリッキーでもあり
そして、なにより

役者の力を信じてる

はじけた悲喜劇でした。


劇場は、弁天町駅から少し歩く『世界館』。
この劇場の使い方もなかなか大胆で面白いです。

劇場の立地と構造をうまく芝居に利用した見せ方がにくい。


そしてなにより、
こにくたらしいのが

観客であるこちらを

見事に油断させ、

振り回しといて、

ちゃんとロジカルに、

かつ感動的に着地するという離れ業。

チラシの印象では
いわゆるドタバタコメディだと思われてそうですが

これはドタバタなんてものじゃない。
やけに腰の低い男が
肩の力を思いっきり抜いて
周到に用意した、罠!


あんまり褒めると、
僕にもう台本書かしてくれなくなるかもしんないので
このくらいにしときますけども

一週間前の稽古を見たライバル作家として言わせてもらいましょう。

今回のテノヒラサイズ、一見の価値あり!

是非、見に行ってあげてください。

工夫の男、湯浅崇の
人柄がにじみ出た初、作・演出・出演作を!

「三人の男たち旅に出る。」に短編書きました。

 公演時期の順で言うとラジオドッグよりこっちが先。
 大阪はこの23日からスタートです。
 オムニバス三本のうちの一本「パワースポット」という作品を書きました。

TEAM54 PRODUCE Vol.6
Bon Voyage! 三人の男たち、旅に出る。
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詳しくはこちら

出演 前田耕陽 中川浩三 Soezimax
脚本 お〜い!久馬(ザ・プラン9) オカモト國ヒコ(テノヒラサイズ) 早川康介(劇団ガバメンツ)
演出 川浪ナミヲ(劇団赤鬼)

大阪公演
日時:2013.8/23(金)19:00・24(土)13:00/17:00・25(日)14:00*・26(月)▲13:00/19:00
会場:千日前トリイホール
料金:前売り ¥3,000- 当日 ¥3,500-(全席自由席)
*16:00よりアフタートークイベント有り・チケット半券で入場可能
▲平日マチネ 前売 2,500円(当日券¥500UP)

東京公演
日時:2013.8/29(木)19:00・30(金)▲13:00/19:00・31(土)13:00/17:00・9/1(日)*14:00
会場:吉祥寺プラネットK
料金:前売り ¥3,000- 当日 ¥3,500-(全席自由席・ワンドリンク代別途必要)
*16:00よりアフタートークイベント有り・チケット半券で入場可能
▲平日マチネ 前売 2,500円(当日券¥500UP)


 僕が書いたのは、よくみんな旅行でパワースポットに行くって言うけど、ほんとに本気のパワーをもらって帰ってきちゃったらどうすんの?みたいな話です。

「いい歳して、何そのパワー?恥ずかしくないの?」というような。

 石ノ森章太郎的なSF展開に中年の悲哀を織り交ぜてみました。

 このユニットには何回か書かせてもらってますが、気づけばだいたいテーマは「いい歳して何やってんだ」です。

 人生の撤退戦を生きているはずが、やっぱり男だから、人間だから、撤退だっつってんのにあわよくば、大逆転を狙ってしまう。隙あらば、男を証明しようと敵陣に突っ込んでしまう。

 そんな愛すべき男達の話を毎回書いてます。

 イメージはサムペキンパーの「戦争のはらわた」です。(嘘)

『ラジオドッグ』上演のお知らせ

 今年も前途あるフレッシュな若者達が二度とは戻らない夏を演劇の稽古なんかに湯水のように注ぎ込む形で(!)、拙作『ラジオドッグ』を上演してくれるようです。

演劇グループSomething
夜空に響け夏公演『ラジオドッグ』

作/オカモト國ヒコ
演出/槻市ひよ

9月7日(土) 13:00〜/17:30〜
9月8日(日) 13:00〜/17:30〜
関西学院大学旧学生会館2階ママ上ホールにて
料金、完全無料


 ここ数年、毎年のようにどこかで上演してもらえて、とても嬉しいです。
 非力ながら少しでも宣伝になればと思い、なにかしら作品について書いてみようかと思います。

 この物語は、思春期独特の屈折を抱えた三人の中学生が主人公です。

 学校にいかず一日パソコンいじってる不登校の気弱少年と、自分を少年ジャンプのキャラに近づけようと日々三階から飛び降りたりするようなバカと、すべてのコミュニケーションが嫌がらせという病的な人間不信の少女。

 この学校に馴染めないタイプの三人をある先生が心配して将棋部という他に誰も部員がいないクラブに無理やり入部させたところから物語は始まります。

 容易な事では友達になれない歪んだ彼らも反目したり誘拐したりの紆余曲折あった末、ようやく賞金目当てに「合作でミステリー小説を書く」という行為に没頭しはじめます。
 しかし、世間知らずの中学生ではいかに三人の知恵を集めて書こうとも小説にリアリティーが出ません。
 考えた末、世間を知る為に彼らがしたこと。

 それが「盗聴」でした。

 盗聴を続けるうち、彼らは彼らが通う中学で二年前に起こった未解決事件を知ることになります。
 三人はその事件を解決してそれを小説にしようと考え始めます。

 ある日、三人が同時に居眠りをしてしまった時、不思議なことが起こります。
 三人で書いていた書きかけの小説がいつの間にか完成しているのです。
 そして、その中で描かれる現実の未解決事件の謎も、小説の中の主人公=「マカベシンジ」が見事に解決してしまっているのです。

 驚く三人。
 一体、誰がこの小説を完成させたのでしょう?
 一体、誰が自分たちの調べた情報を使って未解決事件の真相を解明したのでしょう?

 そして、その事件の真相が暴かれたこの小説の存在は、同じ事件の謎を探っていたスパイ組織の知るところになります。

 忍び寄るスパイの手。三人は学校を飛び出し、事件の真相を世間に公表しようとするのですが…。

 中学生三人の、命を賭けた逃亡劇はどのような結末を迎えるのでしょう…?

 一方、十年後の世界が同時進行で描かれます。

 三人は成長し、電波捜査班の敏腕刑事になっていたり、ラジオドッグと呼ばれるハッキング組織の若きボスになっていたり、小説家になってたりします。

 どうやらこの十年、彼らはお互いに会わないようにしていたようです。まるで憎みあっているようにも見える。それは何故なのか。

 十年後のこの世界は、ある重大な危機に直面しているというのです。
 かつての世界大恐慌以上の未曾有の金融崩壊が人為的に引き起こされようとしている。一人の天才投資家の手によって。

 その投資家の名は「マカベシンジ」。10年前世間を騒がせた謎の天才少年。そして、自分たちが書いた小説の主人公…。

 その彼をなんとか出来るのは自分達三人だけだというのですが…?
 

 長くなりましたが、上のようなお話です。
 まあ、面白そう…じゃないですか?(汗
 
 細かいストーリーやら謎は置いておいて、友達のいない三人の中学生がスパイ組織に追われたりするうち、だんだん仲良くなっていくところが一番の見所です。
 思春期で歪な心理状態だった彼らも三人でいる間にお互いを思いやる事の出来る頼もしい少年少女になっていきます。

 しかし、彼らの作り出した「合作」が、彼らが別々にならなければならない原因となっていく。

 親しい誰かと別れるということはその誰かの前で振る舞っていた自分ともお別れするということです。
 生まれて初めて心が通った友人との別れはきっと、生まれて初めて人間らしく振る舞えた自分との別れでもあります。
 彼らの前で笑ったり怒ったりしていた自分こそ、彼らがいたおかげで生まれた、彼らとの「合作」なのだから。

 これは夏とともに去って行った友人と、彼らと共に生まれた自分自身とのお別れの物語なのです。

 お時間あったら、観に行ってあげてください。
 僕も久しぶりに彼ら三人に会いたい気がしますよ。

ギャラクシー賞は優秀賞でした。

拙作オーディオドラマ「おとこのはなし」めでたくギャラクシー優秀賞いただきました。
今回のギャラクシー賞は第50回だそうで、区切りのよい時にいただくと普通にもらうより何か得した気がしますね。

いい笑顔のナマ堺雅人さんも見ました。
しかし、登場するのを知ってて見たナマ堺雅人より、予想外だったナマ池上彰に僕としてはきゃっきゃ言ってしまいまして。
会場いっぱいのおじさんたちも、ナマ堺雅人より間違いなくナマ池上彰に湧いておりました。
おっさんがおっさんを見ての湧きは正確に言えばきゃっきゃではなく
名門女子高におけるお姉さまと彼女に憧れる下級生たちのような感じと言えば分かってもらえるでしょうか。
春先の微熱なあの感じというか。
ネクタイ姿の難しい顔をしたおじさんたちが、池上彰氏の登場でぱっと桜色に色めきたつところを想像してください。
非常に微笑ましい光景です。

というわけで、今回の真の人気者は堺雅人さんではなく、池上彰さんだったというのは間違いないです。
堺さんはなんというか、兄貴成分が少なすぎるのかも知れません。そのユニセックスな感じが彼の魅力なんですが、しかし我々おっさんとしては、しっかりアニキ入ってないと安心して身を任せる気になれないというか。
がっと荒々しく抱きしめて欲しいんだと思うんですよ、僕を含むおっさん達は。あるいは池上彰のような鋭い知性で分析されてしまいたいんです。丸裸にされてしまいたいんですよ!そしてそのまま、泣き崩れてしまいたいんです。だって普段誰にも涙を見せられないじゃないですか。戦う男達はいつだって理想の兄貴に肩を抱かれて泣いてしまいたいんです!

おっと、何の話でしたっけ?

そういえば、今年からこんなトロフィー(?)になったそうです。
これもまた微笑ましいですね。
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プロフィール

Author:オカモト國ヒコ
劇作家・演出家・脚本家
「テノヒラサイズの人生大車輪」(作・演出)第22回池袋演劇祭優秀賞。
FMシアター「薔薇のある家」で平成22年度文化庁芸術祭優秀賞、第48回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
「橋爪功一人芝居 おとこのはなし」第50回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞。
関西TV「誰も知らないJ学園」「新ミナミの帝王~裏切りの実印」
NHK-BSプレミアム「高橋留美子劇場」「猿飛三世」(5、6話)
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